006: セールスには創造性を!

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Why Can’t Salespeople Be More Creative?
何故営業マンはもっと創造力を発揮できないのか?

その答えは、組織全体を変え、旧式の考え方を捨て去り、役割交換を創造的に行うことの中に見つけることができます。

この問題点に関しては、営業職はこれまで取り残されてきた感があります。技術者や製品開発者それに内勤職の人達のための独創力促進については、数えきれない程の量の本や記事が出版されています。しかし営業に携わる人達のためにはその類(創造力を働かせて物事を考えること)のものはほとんど書かれていないようです。

ある意味では、激しい競争社会の中で如何に優位に戦うべきか懸命な努力を重ねているにもかかわらず、その一貫とすべき会社全体の努力の過程にぽっかり大きな穴があいているような気さえします。即ち、営業マンという顧客に最も近い立場にある従業員が、全社的な戦略を有効に生かすためにそれぞれの技能や戦術に充分磨きをかけていないとすれば、その総合戦略も充分に生きた形で展開されているとは言えない訳です。 まさにこの点において独創力を発揮することの重要性が問われているのです。 

何故多くの会社はすき間市場を発掘することや競争力ある製品作りに躍起になっている一方で、旧来の方法で販売努力を続けているのでしょうか?

進化しつつある現代市場では成功する為に、販売に携わる者はあらゆる機会をとらえるために順応性豊かに進化し続け、又創造的・独創的でなくてはなりません。もし、営業マンが単に昔の方法を踏襲しているだけであったり、競争相手が既に行っていることと全く同じ事をしているとすれば、今ある販売網で、あなたの会社が本来発揮できる強みをもはや失ってしまっているのかもしれません。

会社の営業部には達成すべきノルマがありますが、その点を除くと、不思議なことにどこか場違いな印象を受ける営業マンが多いようです。そこには創造力を生かしてグループ収益を上げろ、というのはほとんど不可能に近い雰囲気があります。おそらく彼等にとっては気が散るだけ無駄と言ってもいいくらいのものでしょう。

結果として販売目標が達成できればよいのだから、創造的セールス思考なんてどうでもよい事ではないか、という意見もあります。
実際、セールスの数字を達成する事は重要です。しかし短期的視野で、その事にのみに集中することは、会社を新規のビジネス機会に対して盲目状態にしてしまっていると言えるのです。

Management Complicity

経営者も連座

何も営業担当者だけが問題なのではありません。革新的な会社は、技術スタッフには新しいアイデアを試す事を奨励し、その長年のプロジェクト結果が悪かったとしても寛容です。営業マンは、その同じ環境下であってさえも尚ノルマ達成に躍起になっています。(ノルマ達成という)プレッシャーが無くならない限り、多くの場合、新しい発想のための時間を見つけることができないようです。

こうなるとパレートの原則(80%の会社の収益は20%の顧客から生まれる)が一般的に適用され、数少ない大手顧客に営業努力が集中する事になります。一旦このような傾向になると、新規の潜在市場や顧客を含む、80%のビジネス機会が事実上無視される事になってしまいます。これらの相対的に少ない収益目標は現時点ではあまり重要ではない様に見えますが、そこには会社の大きな潜在的成長要素が含まれているのです。

販売目標達成の為に、新しい手段について深く考える余裕が無く、月ごとやあるいは四半期ごとの数字にしか集中できないということは、今現在利益の上がっている製品についてのみに力を集中する、という事です。それは結果として、(他社に対する競争力を強化する製品ラインに必要な)研究や開発などへの革新的な努力をしない事と同じことです。

例えば創世記のデルを参考にしてみましょう。 
彼等は当初小売販路でコンピュタを売っていました。そして一定の成功を収めました。しかし、その成功の元となった”小売販売方式を捨て去る”という大胆な策を実行した後に初めて有力コンピュータメーカーとなり得たのです。この決断によりユーザー指定のシステム構成をもつコンピュタ生産に対する評価を確立し、デルの地位は不動のものとなりました。一般的に言えば、営業成績を上げようとしている者にとって、全米チェーン小売大手のBest Buy や CompUSAから手を引くという考えは通常自殺行為に見えます。しかし、それをデルは決行したのです。競争相手が小売店内で死闘を演じている間に、デルは革新的な販売モデルを取り入れ、社内の他の部門を、その考えを実行するための組織に再編し新規戦略に有利な決定的な地位を築き上げた訳です。

The Root of Sales Slog

販売の仕事とは…

さて、あなたの販売戦略には独創性が求められているのかどうかはどのようにしたら見分けられるのでしょうか?

二つの代表的な見方で販売の硬直性を知る事ができます。
(a)”ABC” と (b)”This worked before” です。

(a) ”A.B.C” (Always Be Calling!): 常に電話していなさい!

(a) ”A.B.C” (Always Be Calling!): 常に電話していなさい!

 経験の少ない者にとってこれは優れた営業マンになるためのスローガン的な合言葉です。多くのマネージャーはよく、
耳障りなくらいの大声で話をする人を好み、そしてこの活動的な勢いで販売も伸びる、という理解をしたがります。
そうかもしれません。確かに積極的で活発な行動は、営業部門の最も重要な要素であり続けるでしょう。

しかし、直接的な売り込みのみに只一心に励むというのは、経験が浅いか、創造力も無くてより戦略的な
テクニックを持たない販売マネージャーに良く見られる傾向でもあります。

電話口でうっとうしいと思われるくらいの話し方をする事が相手との長期的な関係を築くのにベストではない、
ということは容易に想像できることでしょう。 とにかく早くものを売る必要があったり、安いものを大量に売りさばく、
といった環境にでもない限り、A.B.C.という考えは得意先と長い付き合いをするのに決定的な限界があると言えます。

(b) ”This worked before!”: 以前この方法で上手くいった!

A.B.Cという考えは下級レベルの販売マネージャーにしばしば見られますが、この ”This worked before!” 
はどのレベルの販売幹部にもその傾向があるように思えます。 私は一度営業部門の副社長と仕事をしたことがありますが、
彼は経歴・信頼面で全く申し分なく、数十億ドルもの販売チームを率いていました。それにもかかわらず、
彼は僅か年間売り上げ二千万ドル足らずで、従業員も百人程度の小さな会社の売り上げアップには完全に失敗しました。

この時、彼はIBMにモノを売るということに対しては長けていても他の方面の販売についてはあまり経験が無かったのです。
結果として、他の製品を売る際にIBMで行った方法を採用してしまいました。これら他の製品を売るのに必要な販売過程や位置付け等の
諸条件が全く異なっており、IBMでの経験がほとんど生かされるような情況ではなかったにもかかわらず、です。

副社長クラスであっても、彼のような立場の多くの人は、
以前実績の上がったやり方が新しい環境の下では単純には通用しない、
ということを理解できないでいるようです。
販売部門の上級幹部の人は古くから言われている投資家の戒め、
“過去の実績は将来の成功を保証するものでは決して無い。”  
即ち、過去の成功体験は通用しない、という事をしばしば思い起こすべきです。

Making Everyone a “Creative”

みんなで新しい発想を、

幸いにも、独創的な製品を開発するチーム造りのための多くの方法は営業チームに対しても応用できます。

Jim Goodnight, CEO of SAS(平等主義と革新的経営で有名)は、”全ての人は創造的である” 
と言うフレーズを好んで使います。即ち、会社の誰もが新しい発想や意見を持つ事で会社に貢献できる、という訳です。

しかし、一方で営業マンは人の言う事に耳を傾ける能力がなければなりません。
一般的に営業職にある人はA型の性格の人が多く、
他人の話を好んで聞かない傾向にあるようです。
しかしながら、たとえあなたがトップセールスの人であっても、
殊にプレッシャーのある状況下では外部からの意見を自らの販売成績向上の為の参考にすべきなのです。

グループ意思決定に関する調査では、誰かに(たとえ相手が自分より知識面で劣っている人であっても)
“What if” (もし~だったらどうなるか)という質問を単に投げかけてみることで、
全体的により良い解決に役立つことがよくあるそうです。 
販売とは直接関係のない人に声をかける事で、
部門以外のより多くの人から最良のアイデアの一つが得られるかもしれないのです。

Take “Sales” Beyond the Team

セールスは部署を超えて

“全ての人は創造的である” と同列の言い回しで、”だれもが営業マンになれないはずは無い”。

会社が成功することによって全従業員が恩恵を受ける、という事実を多くの従業員を持つ会社は認識すべきです。
ですからその成功のためには、より多くの人(従業員)が販売向上のための働きかけを行ったら良いのです。 

Fordは最近全従業員に対し、紹介した人が契約に至った場合に車一台当たりのボーナス支給をする、
というオファーをしましたが、この元にある考え方は、同社として325,000人の正社員を活用するということにある訳です。

The New, Creative Team

新しい創造チーム

もしも営業マンに創造力を持ってもらうことを奨励することで他の有効な販売方法を探し出したいと真剣に考えるなら、
創造力のあるチームに見合った形で、その人達に相応の対応をしないといけません。

マネージャーとして販売チームのメンバーに対し、
月ごとや四半期ごとに新しい提案や目的セグメントを見つけるよう問題提起するのも一方法ですし、
或いは一ヶ月の内の数日間を新規のビジネス機会に対して別枠にしてオープンにしておくもできます。

3Mが行っているような15%ルール(会社として、従業員が主要プロジェクト以外に15%の時間を費やす事を奨励する)
のようなものは営業マンに対しては容易にオファーできることです。

しかしながら最も重要な事は、たとえ営業マンが未開拓のチャネルに費やす
時間のために一時的なノルマの減少があるとしても、彼等にペナルティーを与えないで、
(恐らくは行き詰まりもあるでしょうが)全く新しい方向性で販売目標を追求することを認めなければなりません。


柔軟性の無い販売思考は、経営や業務、研究開発部の硬直化と全く同様に会社を損なうものです。

私達は今二十一世紀市場にいるのです。
最先端の製品造りに励んでいる最中、旧式の販売戦略であなたの努力を無駄にしてはなりません。


参考資料
006: Why Can’t Salespeople Be More Creative?
Francisco Dao
Inc.comr
12/2005